少し遡って8月下旬のこと。
学生時代が終わって随分経ちますが、未だに夏休みの意識が残っていて、夏の間に何か特別なことをしたくなる自分がいます。
今年は遠くに星を見に行きたいと思っていましたが、コロナが増えたり、仕事が忙しかったりで、結局計画が立てられませんでした。
このままでは…と思い、日帰りでも少し遠くに行くことにしました。
水戸から車で2時間ちょっと。
栃木県の那須町芦野にやってきました。
この距離で遠征かと笑われそうですが、普段近場をウロウロしてばかりの自分からしたら、十分遠くまで来たと思う場所です。
芦野は、那須町の中でも観光施設が沢山あるエリアからは少し外れたところで、夏休みシーズンの週末にも関わらず、通りには人も車も少なく静かでした。
そんな街並に現れるのが、今回の目的地「那須芦野・石の美術館 STONE PLAZA」です。
石好きとしてずっと行ってみたかった。
建築家の隈研吾さんの設計で、いくつかの建物はもともとここにあった石蔵を再生したものです。
石蔵を含め、石材は「芦野石」という凝灰岩が使われています。ここから約10km北に行けば福島県境ですが、福島県側(白河市)にも同じ石材があって、そちらは「白河石」と呼ぶそうです。
展示室は池の左右と奥に点在していて、石橋を行き来するのが面白いです。
幾何学的な建物が水鏡に映えます。
上の写真の左側の壁は「石のルーバー」。これも細長く加工した石で出来ているのが驚きです。
この部屋は「石と水のギャラリー」。
石の壁にはスリット状の穴が空けられていて、外の光や空気が入るため「半屋外」のような不思議な空間です。
部屋の中の池も、壁の穴を通して外の池と繋がっています。
石の学習室には、化石や鉱物の展示のほか、石の加工についての説明がありました。
一番大きな部屋の「石蔵ギャラリー」は、元は農協の米蔵だったそうです。
天井が高く解放感があります。
木の板のように見えますが、これも石。
崩してしまいそうで怖い・・・
グランドピアノに、天窓から漏れる光が。
コンサートホールとして使われることもあるそうです。
最後に見たのは、お土産のショップ。なかなか品揃えが豊富です。(実はこれが一番楽しみだったりします。)
鉱物は原石から加工品まで色々置いてあります。
目移りして長々と選んでしまいました。
連れて帰ったのは、蛍石の原石。どうして君はそんなに四角いのか。
非日常を味わえる素敵な施設だと思います。
良い夏の思い出になりました。
(おまけ)
帰り道のこと。
石の美術館からそう遠くない場所、国道沿いに「堂の下の岩観音」という看板が目に入り、寄ってみました。
こちらの巨岩の下にお堂があります。これも芦野石でしょうか。
お堂に至るまでの階段の途中、岩肌にイワタバコが咲いていました。
階段の石に着生した、ど根性イワタバコ。
地元の人が大切に守っているようです。