子供の頃から、植物が好きでした。
自然豊かな小学校の校庭が最初のフィールドで、その頃に書いた宝の地図です。
思いがけず、本の間から発見されました。
今見ると、ヤマブドウじゃなくてエビヅルだよなぁとか、「郎」くらい漢字で書けよ~とかツッコミどころはありますが…。
初めて手にした野草の図鑑。
掲載されている種は少なめですが、名前の由来や、どういった所に自生しているか、時には見た目の印象まで読みやすく記されていて、調べ事に使うというより、普段から「読む」図鑑として、ぼろぼろになるまで使いました。
この図鑑で知ったもののひとつに、アマナというユリ科の野草があります。
この野草には少々思い出があって、小学生の頃、実物を見たくて水戸市内を探し回ったことがありました。
その頃に見つけた自生地は今でもあるのですが、昨年の4月頃、別の場所でそれらしい灰緑色の葉があるのを見つけました。
そろそろ花期だろうと思い、先週、見に行ってきました。果たして…。
咲いていました。
やはり、アマナで間違いありません。
小さくそれほど目立ちませんが、可憐な花です。
かつてはツリパ(チューリップ)属に分類されたこともあるだけあって、原種系チューリップに近い草姿をしています。
今ではアマナ属として扱うのが一般的です。
花弁と萼に入る緑色の筋が、繊細さを引き立てています。
私が知っている自生地は3ヶ所ありますが、いずれも陽当たりがよく、土が露になっているような乾き気味の斜面です。
また、これは里山的な環境に生きる在来種全般に言えるかと思いますが、昔から土が動かされていない場所であることも条件のひとつです。
キツネノカミソリも芽が出ていました。
実はこの場所、昨年記事にしたキツネノカミソリの群生地でもあります。
(昨年8月撮影)
ニリンソウ(ではありませんでした。追記参照)がここにあるのは知りませんでした。
そろそろ花が咲いている頃だと思うので、見に行ってみようかな。
【2023/4/30追記】
その後の様子を見に行ったところ、茎が伸びており、ニリンソウではなくトリカブト類だと思われます。
アマナと言うと、こっちをイメージする人も多いですね。
行く度に新しい発見がある、良い斜面です。
話は変わって…
先日、偕楽園の梅まつりに行ってきました。
今は県外に住んでいる大学時代の先輩が、梅まつりに行ったことが無かったということで、案内をしました。
先輩というありきたりな言葉で表現するのがもどかしいほど、親しみ、リスペクトしている方です。
アカデミックでありながら純粋な視点を持っている方で、一緒に見る偕楽園には新鮮な感動がありました。
重力に逆らってうねる梅の古木、どうしてこの形になったのか。深く考えたことがありませんでした。
好文亭にも何年かぶりに入りました。
襖絵が意外に写実的なことや、竹の間は筍からの竹の成長、(写真はありませんが)萩の間は雀が塒に帰る夕暮れ~月の出など、時間の経過が表現されているのが秀逸でした。
カフェが新しく設置されていました。
抹茶はなかなか飲む機会が無いですね。美味しゅうございました。
曇り空だったのですが、やはり最上階からの眺めは素晴らしかったです。
個人的に好文亭名物だと思っているのが、この小さなエレベーター。滑車で上げ下げでき、料理を上の階に運ぶのに使われていたそうです。
新設されたカフェの洗い場がこのエレベーターの裏にあるらしく、水音と店員さんたちの話し声が障子越しに聴こえ、実際に使われていた時代に思いを馳せることができました。
(文化財の中にカフェを作ることについては、色々議論があったようですが…)
梅まつり中は茨城県民でも有料ですし、1人だったら行かずに終わっていたと思います。
偕楽園にはまだまだ知らない魅力があることに気づけました。
先輩が気に入った梅の品種は、「輪違い」でした。
一輪ごとに白と赤に咲き分ける品種で、別名を「思いのまま」といいます。
誰しも人生は思いのままにならないものですが、せめて思うがままに生きてほしいと思ったり。